福島県の猪苗代(いなわしろ)湖の北東岸で、廃校舎やポンプ施設をリノベーションした複合施設「Roots(ルーツ)猪苗代」を運営する長谷川真児さん(57)。休日には買い物や食事、アウトドア体験を楽しむ人でにぎわう。年間4万人以上が訪れ、猪苗代町の観光スポットとして定着している。
「使われなくなった施設に新たな価値を吹き込むことができた。地元の人たちに喜んでもらえているのが、何よりうれしい」
本業は木造住宅メーカーの社長。ログハウス専門の工務店としてスタートし、現在は一般住宅も手がける。天然乾燥させた国産ヒノキの無垢(むく)材を使うのがこだわりだ。住む人が健康に暮らせ、丈夫で長持ちな家は評判を呼び、県外からも注文が来る。
活躍が町役場の目に留まり、廃虚の利活用策を打診された。
「雄大な山と湖があり、唯一…